口内炎を治す民間療法で、よくハチミツの事が話題に上がりますね。

口内炎の患部にハチミツを塗ったガーゼを一時的に貼り付けておくと、最初は痛みますが徐々に痛みが消えて、市販の口内炎の薬を塗るよりも早く回復したという様な体験談がネット上で多く見られます。

ひと言でハチミツと言ってもピンからキリまでありますが、どんなハチミツでも口内炎を治す効果があるのでしょうか。

ハチミツだけで薬よりも早く口内炎が治るのなら、美味しいし他の用途にも使えるハチミツの方がいい。

そう思ってハチミツを買いに走ろうと思っている方。

とりあえず読んでみてください。

 

そもそもハツミツとは

 

ハチミツは人類が最初に口にした甘味料だと言われており、その優れた薬効が旧約聖書や中国の古典にも記されているぐらい、最も古くからある健康食品です。

混じり気の無い天然ハチミツにはビタミン、ミネラル、アミノ酸が豊富に含まれていて、まさに万能食品と言えます。

この天然ハチミツを平常から習慣的に食事と共に摂っていれば、栄養面からは充分口内炎の予防に役立つと思われますが、更に先ほどの体験談のように、ハチミツを口内炎に塗ったり、うがい薬のようにハチミツで口の中を洗うことには意味があるのでしょうか。

ここでは実際に口内炎にハチミツを塗布して効果があるものなのかどうか。

そしてまた、ハチミツの種類によっては特に口内炎に効果があるものが存在するのかどうかを見て行きたいと思います。

 

ハチミツには抗菌、殺菌作用がある

 

古代の医学書には、薬としてのハチミツの薬効が様々記されています。

そこには内臓を元気にして体の毒を解毒し、精神を安定させ、また殺菌力があるためにチフス菌赤痢菌などへの感染を防ぐ力があるとされています。

また、このような効果だけではなく、実はハチミツは湿布薬や軟膏としても使われていたことが分かっています。

残念ながら口内炎に使われたかどうかは分かりませんが、ハチミツは飲むだけではなく強力な抗菌・殺菌剤として外傷の治療にも使われていたのですね。

ここで注目したいのがハチミツの持つ殺菌作用のメカニズムです。

ハチミツは出来上がる過程で水分の多くが蒸発して非常に濃縮されると言う特徴があります。

このように水分が減って濃縮されたハチミツが細菌と接触すると、浸透圧の働きによって細菌の細胞の内部の水分がハチミツの側に吸収されてしまいます。

この結果細菌は水分を失い死滅してしまうのです。

更に、ハチミツは患部の水分も吸い取りますので、殺菌と共に細菌の増殖も防いでくれます。

実はこのようにハチミツを濃縮させているのはミツバチなのです。

ミツバチが巣の中で懸命に羽を羽ばたかせて、その風でハチミツの水分を蒸発させているのです。

更にまた、ハチミツにはグルコンサンなどの有機酸が多く含まれていて、その成分は強酸性を保っています。

この酸が殺菌効果を発揮します。

 

口内炎に効くハチミツの種類

 

このように、物理的な作用と強酸性の成分によってハチミツには口内炎に効く様な殺菌・抗菌作用がある事がわかりました。

ところがここで注意しなければならない事は、様々な薬効を発揮したと言われる古代のハチミツと、現在市販されている多くのハチミツとはかなり成分が異なるという事です。

古代のハチミツは天然もの100%で非常に希少価値のあるものでしたが、現在市販されているハチミツの多くは、口当たりを良くして大量に製造できるよう、徹底的に不純物を取り去り水飴を加えたりしているものが多いのです。

このような加工工程を潜り抜けてしまった現在の多くのハチミツが、口内炎に塗ったり口の中のうがいに使用して効果があるのかどうかは、はっきり言って不明と言わざるを得ません。

そこで問題になるのがハチミツの選び方です。

市販されている多くのハチミツと言うのは、スーパーなどでも安く手に入る加工されたハチミツの事ですが、そうではなく純粋に天然成分100%のハチミツを使用すれば、浸透圧による殺菌効果が期待できるかも知れません。

ネット上にもハチミツ専門店が多くあります。

そんな中で混じり気なしの天然成分100%のハチミツを探しますと、けっこうなお値段になるものがほとんどですが、専門店を見てみると明確に原料の花木の名を記されているものも多く、原料によっては成分的にも薬効が期待できるものがありそうです。

日本産のハチミツのほとんどは百花密と言われ、ミツバチがその場所・季節によって様々な花から蜜を集めて来るもので、いわば様々な原料の集合体になってしまい、その結果成分や味などもその都度微妙に変わると言われています。

その点、輸入品であれば原料が明確に記されているものが多いですので、成分的に口内炎などの炎症に効きそうなものを探すことが出来ます。

 

マヌカハニー

そんな中で、口の中の疾患、虫歯や歯周病や口内炎などに対する薬効を明確に表示しているハチミツがあります。

それはニュージーランド産のマヌカハニーと言う銘柄のハチミツです。

マヌカハニーはマヌカと言う樹木に咲く花から採れる蜜で、一般のハチミツに比べるとかなり濃い琥珀色をしたハチミツで、強力な抗菌・殺菌力があります。

そのためニュージーランドではマヌカハニーの薬効が正式に認められており、歯磨きにも使用されています。

ただし偽物も多く出回っているために、マヌカハニーの販売には品質基準の表記が必要になっています。

この品質基準はメチルグリオキサール(MGO)と言う殺菌成分が1Kg当たり何ミリグラム含まれているかを表記するものです。

例えばMGO100+という表記があれば、このマヌカハニー1Kg中にメチルグリオキサールが100g以上含まれているという事です。

この数値は100+から1100+まであり、販売されている濃度は様々です。

当然この数値が大きくなればなるほど殺菌力が強いということになります。

したがって、同じマヌカハニーでもお値段には相当な開きがあって、最も高いもので500g入り一瓶数万円もするものもあります。

 

おわりに

 

純粋な天然のハチミツであれば、成分が希釈されたり他の成分が混ぜられたりしていません。

それであれば十分な濃縮状態にあるわけなので浸透圧で細菌の水分を奪うと言う物理的な殺菌効果が期待でき、また強酸性と言う成分で、口内炎に塗れば殺菌力を発揮する事が分かりました。

しかしこれは日本においては臨床試験を経ているわけではなく、民間療法としての実績や体験談があるだけです。

ですから用法や用量などが記されているわけでもありません。

あるとしても、塗った時に痛みが走れば薄めた方が良い、という程度のものです。

また、強酸性のハチミツは殺菌力はあるけれども大事な歯を損傷しかねません。

夜寝る前に口内炎にハチミツを塗ってそのまま寝てしまうと言う事は、歯にとって決して良くありません。

結論としては、口内炎に効くハチミツはある事はあるけれども、市販のお薬の方が安全で確実だし、安価に済むのではないか、と言うことになってしまいますね。

むしろ、ハチミツは口内炎の予防に必要なビタミンB群をすべて含んでいると言われていますので、それほど高価なものでなくても確かな品質のハチミツを食べる習慣をつける事が、口内炎の予防には効果があると言えます。