口内炎は口の中の粘膜上のどこにでもできる病気ですが、もちろん舌にも出来ることがあります。

口内炎が舌にだけ出来ると言う事は少ないと思いますが、症状が舌だけに留まっている時はお医者さんの分類では舌炎と呼ばれることもあります。

中には舌にできやすい要注意の口内炎もありますので、種類によっては注意が必要です。

ここでは舌に出来た口内炎の原因と治し方、そして舌にできやすいちょっと要注意の口内炎について見て行きます。

 

舌に出来たアフタ性口内炎

 

口内炎の中で最もポピュラーなものが、「アフタ性口内炎」です。

アフタ性口内炎は、ストレスや疲れなどで体力が衰えている時に起こりやすい口内炎で、口の中にアフタと呼ばれる小さな潰瘍が出来て、非常にしみて痛いものです。

この口内炎は身体が弱った時に口の粘膜上の細かな傷が炎症を起こすものですので、知らず知らずのうちに傷がつきやすい場所に口内炎が出来る事が多いのです。

例えば歯の噛み合わせが悪く、舌の側面を噛んでしまったりすると、しばらくするとそこに口内炎が出来ることがあります。

 

舌に出来たアフタ性口内炎の多くは、このように舌を噛んでしまったことが原因です。

見た目の特徴としては、ポツンと出来る5ミリ程度のできもので、表面が白い偽膜に覆われており、周囲に赤い斑点が取り巻いています。

盛り上がったできものと言うよりも、中央部がやや凹んだクレーターの様な形をしています。

数はそれほど大量には出来ず、多くても2~3個までの事がほとんどです。

 

舌に出来たアフタ性口内炎の治療について

アフタ性口内炎の場合は、今では薬局へ行くと様々な薬が販売されています。

また、口の中を十分清潔に保ち、口内炎用の薬を使用すればほとんどは10日前後で治るものです。

ただし、舌に出来た口内炎の場合は口内炎の薬が使いにい事があります。

舌は口の中で一番よく動かすところで、食べたり飲んだりする時はもちろん、喋ったり唾を飲み込んだり、あくびをしても動くものです。

よく動くと言う事は隣の部分とよく擦れ合うと言う事でもあり、例えば口内炎に効く軟膏を塗ったとしても、なかなか薬が定着せずに流れてしまう事になります。

特に舌の先などは、薬を塗ってもすぐに取れてしまいます。

でもよく動くところに出来た口内炎ほど痛いもので、一刻も早く治してしまいたいものですね。

 

舌に出来たアフタ性口内炎におすすめな薬

舌の先や舌の側面や裏側など、非常によく動く場所に出来た口内炎には、口内炎用の貼り薬が一番お勧めです。

軟膏よりも少し割高になりますが、口の中をきれいに洗って水分を丁寧に取ってから貼ると、貼った時点から患部が保護されて舌が動くことによる痛みがとても軽減されます。

 

貼り薬も貼りにくいし軟膏も塗りにくいような、舌の奥の方に出来た口内炎には、スプレー式の治療薬があります。
さらに、一般の薬局では販売されていませんが、ネット通販で買える錠剤のオーラルファインという薬は、口の中にトローチのように含んでいるだけで口内炎の治療が出来ますので、一般の薬が使いにくい場所にはお勧めです。

オーラルファインは抗炎症作用の強いウコンの成分を濃縮したもので、患部に当てるようにしながら溶かすとさらに効果的です。

また、舌に出来たアフタ性口内炎の対症療法は出来ても、歯の噛み合わせなどが原因で何度も舌の側面を噛んでしまうような場合は、根本的な原因になる歯の不具合を解消しないと、同じような場所に再発する恐れがあります。

こんな場合は口内炎の治療だけでなく歯科で歯や入れ歯などの不具合を改善して、再発しないようにしましょう。

 

舌に出来たカタル性口内炎

 

アフタ性口内炎よりは少ないですが、カタル性口内炎も口の中の不具合が原因で起きる口内炎です。

カタル性口内炎は、歯並びが悪かったり入れ歯の調整がうまく出来てない事が原因で、常にその部分が口の粘膜と接触して粘膜が炎症を起こしてしまう口内炎です。

舌は常によく動く部分ですから不具合のある歯の一部と接触する事も多く、カタル性口内炎は舌にできやすい口内炎とも言えます。

カタル性口内炎の見た目の特徴は、ポツンと独立してできるアフタ性口内炎とは違って、炎症を起こした粘膜の周辺に赤い斑点が拡がり、境界がはっきりしない腫れを伴う事です。

そしてその腫れの上にカタルと呼ばれる白血球の混じった粘液が滲み出てきます。

この口内炎は最初のうちは自覚症状があまり無く、見た目もはっきりしないために口内炎とは分かりにくい事が多いです。

しかし、ひどくなると酸味のあるものが非常にしみたり、焼けるような感覚や味覚が鈍ると言う症状が出ます。

また、唾液が多く分泌されるので口臭がひどくなります。

 

舌に出来たカタル性口内炎の治療について

舌に出来たカタル性口内炎の対症療法としては、広い範囲で炎症が起こっていますので、局部的な貼り薬はあまり意味がなく、炎症を起こしている部分全体を清潔にする事と、ひどくなっている場合は、軟膏の治療薬を使う事です。

同時にビタミンB群を補給して、粘膜の回復を早める事も大切です。

カタル性口内炎もアフタ性口内炎と同じく、体力が衰えて抵抗力が落ちている時に出来る事が多い口内炎です。

ただし、口の中の不具合を解消することが根本的な治療になりますので、カタル性口内炎だと思った時は歯科に受診して、対症療法と共に原因の改善のための治療をすることが一番大事です。

 

要注意の白板症(はくばんしょう)

 

舌にできやすい要注意の口内炎として、40歳以上の男性に多く見られる白板症という病気があります。

これは長い間口の中で物理的・化学的な刺激を受けていた粘膜が炎症を起こして起こるものです。

物理的な刺激とは入れ歯や並びの悪い歯との接触など、また化学的な刺激とはアルコールやニコチンによる刺激などがあります。

白板症の見た目の特徴は、舌の側面や歯茎、頬の内側など、刺激を受けて炎症を起こした粘膜を中心に白い苔の様なものが拡がって来る事です。

この白い苔状のものはこすっても取れることは無く、すぐに剥がれ落ちる「カンジダ性口内炎」の白い苔とは見た目は似ていますが全く違うものです。

この白板症はがんの前段階、すなわち前がん症状とも言われています。

特に舌の側面や裏側にできた白板症は要注意で、稀ではありますが白い苔状のものと共にイボや粘膜内部にしこりの様なものがある時はがん化することがあると言われています。

白板症は自覚症状があまりなく、普段気を付けていないと気づきにくい病気ですが、注意していると確実に目で確認できる病変です。

 

白板症の治療について

白板症の治療は、まず歯科治療で原因となっている口の中の不具合を解消します。

ほとんどはそれだけで白板症の状態は改善されます。

それでも続く時はビタミンAを投与して様子を見ますが、ビタミンAを投与しても改善しない時は、炎症を起こしている粘膜を手術で切除します。

また、がん化の可能性の有無を診断するために、切り取った患部の一部を顕微鏡で組織検査する事があります。

舌に出来たできものがなかなか治らない、あるいは白い苔が取れないなど、舌の病変が1か月以上続く時は念のために口腔外科や歯科に受診しましょう。

 

おわりに

 

舌は口の中で最もよく動く部分です。

それだけに舌にできた口内炎は刺激を受けやすく痛みもひどく、食事はもとより日常の会話まで億劫になってしまって本当に辛いものですね。

舌の先や側面に口内炎が出来るのは、意外と入れ歯の調整が悪いとか歯並びが悪いなど、知らず知らずの間に続いている物理的な原因が多いようです。

特に小さなお子さんがよく舌を噛んでしまう事が多いのに気付いたら、一度歯科に受診して歯並びを診てもらう事が口内炎の予防につながるかも知れません。

また、舌にできやすい白板症などの厄介な病気は近年若年化が進んでいると言われています。

特に自覚症状がなくても、常に口の中は清潔に保ち、舌の裏や側面などを鏡で観察する習慣をつけることが大切です。